【担当者必見】SNS採用の進め方を事例付きで解説

【担当者必見】SNS採用の進め方を事例付きで解説

採用市場では「応募単価の高騰」と「若年層との接点不足」が大きな課題とされています。

求人広告に依存した採用活動では、コストが年々増加していると感じる担当者も多いのではないでしょうか。さらに、Z世代と呼ばれる若年層は、企業研究の初期段階からSNSで情報収集する傾向があります。

以上の点から、現代の採用活動において、SNSをチャネルの一つとして組み込む必要性はますます高まっているといえるでしょう。

SNS採用とは?注目される背景と最新の動向

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは

「SNS採用」とは、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokといったSNSを企業が活用し、企業の認知拡大から応募者の獲得までを促進する採用手法のことです。「ソーシャルリクルーティング」とも呼ばれます。

求人媒体に広告枠を購入する従来の手法とは異なり、投稿やライブ配信といった双方向のコミュニケーションを通じて、候補者の企業理解を深められる点が特徴です。また、情報量や表現方法の自由度が高く、自社の魅力を多角的に伝えやすいという利点もあります。

また、20代のSNS利用率が92.5%就職活動で企業の情報収集にSNSを利用した学生の割合は55.0%というようなデータも出ています。

これらのデータから、特に若年層が企業を研究する際の主要な手段として、SNSを選択していることがわかります。

※参照元:
総務省『令和5年通信利用動向調査』
株式会社リクルート『就職白書2024』

企業が抱える採用課題とSNSの有効性

多くの企業では、求人広告費の上昇や、入社後のミスマッチによる早期離職率の増加が課題となっています。SNSは、原則として無料で情報発信ができ、低コストで運用を始められるという点で有効です。

また、動画や画像を使って職場のリアルな雰囲気や社員の人柄を伝えることで、候補者は入社後の働き方を具体的にイメージしやすくなります。これにより、ミスマッチの抑制が期待できます。

さらに、DM(ダイレクトメッセージ)機能を活用して応募前に候補者と対話することで、個別の不安を解消し、応募意欲を高めることにもつながります。

SNS採用を行う6つのメリット

SNS採用に取り組むことには、多くのメリットが期待できます。主なメリットは次の6つです。

  • コストを抑えやすい

アカウント開設や投稿は無料。広告も比較的低予算から始められる。

  • 潜在層にリーチできる

今すぐの転職を考えていない層や、就職活動を始める前の学生にも接触可能。

  • 企業のブランディング

ビジュアルや動画を通じて、企業の雰囲気や価値観を直感的に伝えられる。

  • ミスマッチの防止

リアルな情報を発信することで、候補者の入社前後のギャップを減らせる。

  • リファラル採用の強化

社員が自社の投稿をシェアすることで、信頼性の高い紹介応募につながりやすい。

  • ダイレクトスカウトとの相性

DM機能により、気になる候補者へ個別のアプローチがしやすい。

SNS採用のデメリットと対策

メリットが多い一方で、SNS採用にはいくつかのデメリットやリスクも存在します。ここでは代表的な4つの課題と、その対策について解説します。

SNS採用の4つのデメリット
  • 運用工数の確保が難しい
  • 炎上やネガティブな情報の拡散リスク
  • 短期的な効果が得にくい
  • 効果測定の方法が複雑

運用工数の確保が難しい

SNSの投稿自体は無料ですが、コンテンツの企画、撮影、編集、投稿後の分析といった一連の作業には相応の時間がかかります。担当者が他の業務と兼務している場合、更新が途切れてしまうケースも少なくありません。

この課題への対策として、全ての業務を内製するのではなく、動画編集やデザイン制作といった一部の作業を外部の専門家に委託する方法も有効でしょう。

炎上やネガティブな情報の拡散リスク

SNSは情報が瞬時に拡散する特性を持つため、不適切な表現や誤った情報が炎上につながるリスクを常に抱えています。一度炎上が発生すると、企業のブランドイメージが大きく損なわれるだけでなく、応募者の減少にも直結しかねません。

対策としては、投稿前に複数人で内容を確認するダブルチェック体制の構築、社内ガイドラインを作成し、全社で共有することが重要です。

短期的な効果が得にくい

SNS採用は、すぐに成果が出る施策ではありません。アカウントを開設してからフォロワーが増え、企業と候補者との間に信頼関係が構築されるまでには、一般的に3か月から半年程度の期間が必要とされています。

そのため、短期的な採用目標を達成する必要がある場合は、SNS採用だけに頼るのではなく、既存の求人媒体や人材紹介サービスと併用することが賢明です。

効果測定の方法が複雑

SNSからの応募が、どの投稿をきっかけに生まれたのかを正確に追跡するのは容易ではありません。そのため、採用担当者の中には、施策の効果測定を課題と感じている方も多いのではないでしょうか。

この課題を解決するためには、投稿に記載するURLに「UTMパラメータ」という識別子を設定し、流入経路を分析できるようにすることができます。

SNS採用を成功させる5つのポイント

  • ターゲットとEVPを明確にする

まず、「どんな人物を採用したいか」という具体的な人物像(ペルソナ)を設定します。次に、そのペルソナに対して自社が提供できる独自の価値(EVP:従業員価値提案)は何かを整理します。この二つを明確にすることで、発信する情報の軸が定まり、一貫性のあるブランディングが可能になります。

  • 継続的なPDCAサイクルを回す

SNS運用は一度行ったら終わりではありません。投稿計画(Plan)→実行(Do)→分析(Check)→改善(Act)というPDCAサイクルを、月次などの単位で継続的に回すことが重要です。分析から得られた改善点を、翌月の企画に反映させる仕組みを構築しましょう。

  • 社内を巻き込む体制を作る

SNS採用の主役は、現場で働く社員一人ひとりです。社員にSNS運用の目的を共有し、投稿への出演やアイデア出しに協力してもらえる協力体制をつくることで、運用の安定化とコンテンツの魅力向上につながります。経営層からの積極的な発信も、企業の信頼性を高める上で効果的です。

  • 複数のSNSを連携させて活用する

各SNSの特性を理解し、役割を分担させて連携させることが効果的です。例えば、認知獲得はTikTok、企業文化の理解促進はInstagram、そして応募者との個別フォローはLINEといったように、候補者のフェーズに合わせてチャネルを使い分ける戦略が考えられます。

  • データに基づいた改善を行う

「どの曜日・時間帯の投稿が最も反応が良いか」「どんな表現のキャッチコピーがクリックされやすいか」といった点を、データに基づいて分析しましょう。同じ内容の投稿でも、曜日や時間帯を変えるだけで反応率が大きく変わることがあります。無料の分析ツールも多いため、継続的にデータを活用し、改善を続けることをおすすめします。

SNS採用を始める前の社内準備

①採用目的とKPIを設定する

まず、SNS採用を通じて何を達成したいのかという最終目標(KGI)と、その達成度を測るための中間指標(KPI)を数値で具体的に定義します。

指標の種類 設定例 ポイント
KGI(最終目標) 「2025年9月末までに、エンジニア職の内定者を5名創出する」 期限と人数を具体的に設定することが重要
KPI(中間指標) 「フォロワー数を3か月で2,000人にする」「月間エンゲージメント率を3%に保つ」 KGIから逆算し、行動を評価できる指標を設定

➁運用体制と役割分担を決める

SNS運用には様々な業務が発生するため、誰が何を担当するのかを明確にすることが不可欠です。人事、広報、現場社員など、関わるメンバーの役割と工数を事前に整理しておきましょう。

役割の例 担当部署の例 主な業務
プロジェクト責任者 人事部 全体の方針決定、KPIの管理
コンテンツ企画・制作 広報部・マーケティング部 投稿内容の企画、撮影、編集
出演・情報提供 現場の若手社員など ネタ出し、撮影への協力
コンプライアンス確認 法務部 投稿内容の表現や権利関係のチェック

③SNS投稿ガイドラインを策定する

炎上や情報漏えいなどのリスクを未然に防ぐため、投稿に関するルールを明文化したガイドラインを作成します。ガイドラインには、機密情報の取り扱いや誹謗中傷の禁止といった基本的な項目に加え、投稿前のダブルチェックフローや、緊急時の対応体制などを盛り込みましょう。

④社員の協力体制を整える

社員のリアルな姿は、SNS採用における最も魅力的なコンテンツです。社内説明会などを通じてSNS採用の目的やメリットを共有し、協力的な雰囲気を作ることが大切です。また、出演してくれた社員に対してインセンティブを用意したり、「顔出しはNGでも手元だけの出演ならOK」といったように、協力のハードルを下げる工夫も有効です。

各SNSの特徴は?

SNS 主なユーザー層 採用での強み 留意点
X(旧Twitter) 20〜30代 リアルタイム性と拡散力が高く、説明会告知などが短時間で広がりやすい 炎上時の拡散も速いため、迅速な初期対応が求められる
Instagram 10代〜30代 写真やリール(短尺動画)で、社風やオフィスの雰囲気を直感的に伝えられる プロフィール欄以外にURLを貼れないため、リンク集ツールとの連携が必須
TikTok 10代〜20代 エンタメ性の高い短尺動画で、就活前の潜在層へもアプローチしやすい コンテンツの企画を誤ると、企業のブランドイメージを損なう可能性がある
Facebook 30代〜50代 実名登録制で経歴の信頼性が高く、経験者採用やリファラル採用に強い 若年層へのリーチは限定的。ターゲットを明確に絞ることが重要
YouTube 幅広い年代 長尺動画で、仕事内容や社員インタビューなどを深掘りして伝えられる 企画から編集までの工数が大きく、継続的な運用には体力がいる
LINE 全年代 友だち追加後は、1対1のクローズドな環境で継続的なフォローが可能 一方的な配信が多いとブロックされやすいため、頻度や内容の工夫が必要

SNS採用の成功事例

株式会社集英社

出版社の集英社は、新人編集者の日常や仕事への想いを、外部ブログサービス「note」で連載し、その更新情報をXで共有しました。社員のリアルな声を届けることで多くの共感を呼び、Xアカウントのフォロワーを大幅に増やすことに成功した事例です。

※参照元:集英社 採用担当 公式Xアカウント

三和交通株式会社

タクシー会社の三和交通は、乗務員が制服姿でキレのあるダンスを披露する動画を投稿。そのユニークな内容は多くのユーザーの注目を集め、初投稿で260万回再生を記録しました。シリーズ化によりファンを獲得し、求人広告費を大幅に削減しながら、応募につなげることができているそうです。

※参照元:三和交通@TAXI会社

株式会社サイバーエージェント

新卒採用向けのYouTubeチャンネルを運営し、社員対談や就活対策、職場ツアーなど、多岐にわたるコンテンツを配信しています。チャンネル登録者数は1万人にのぼり、採用ブランディングと母集団形成に大きく貢献している事例です。

※参照元:サイバーエージェント新卒採用

SNS運用代行サービスの活用もおすすめ

SNS採用を自社だけで行うのが難しい場合、専門の運用代行サービスを活用するのも有効な選択肢です。特に、以下のようなケースでは検討の価値があるでしょう。

代行サービス検討が推奨されるケース
  • 社内に運用を担当できるリソース(時間・人材)がない場合
  • 魅力的な動画や画像を制作するノウハウがない場合
  • 炎上対策やアルゴリズムの変動に対応する自信がない場合
  • データ分析や改善施策の立案が形骸化している場合

代行会社を選ぶ際の比較ポイント

代行会社を選ぶ際は3つのポイントに注意して比較するようにしましょう。

  • 運用可能SNS

各サービスにより、対応できるSNSは異なります。SNSは、Instagram、TikTok、Facebook、LINEなど、さまざまな媒体があり、それぞれ特色も異なります。自社の採用活動に合う最適なSNSを選択し、運用していくことが重要なポイントです。また、SNS運用代行会社ごとに特徴や強みも異なるため、事前に確認しましょう。

  • 代行業務の範囲

SNS運用だけでなく、採用業務についてもどこまで業務を任せられるか確認することが重要です。SNS運用から採用代行まで一貫して代行可能なサービスを選択することで、採用業務における業務改善や成果を更に期待することができるでしょう。また、採用代行業務については、SNS運用代行に加えて別途費用が発生する場合が多くあるため注意が必要です。

  • 料金形態

採用特化型のSNS運用代行会社はおもに「完全成果報酬型」と「月額プラン型」の2種類の料金形態があります。完全成果報酬型については、成果が発生した場合のみ費用が発生します。そのため、無駄な月額費用を抑えることが可能となり、採用全体のコスト削減に繋がるでしょう。成果地点においては事前に確認することが重要です。

まずは小さな一歩から始めましょう!

SNS採用は、もはや特別な手法ではなく、採用活動に不可欠なチャネルの一つとなっています。コストを抑えながら潜在層にアプローチし、企業のリアルな魅力を伝えることで、採用におけるミスマッチを防ぐ効果も期待できます。

一方で、継続的な運用には工数がかかり、炎上などのリスクも伴います。最初から完璧を目指すのではなく、まずは自社のターゲットに合ったSNSを一つ選び、週に1〜2回の投稿から始めてみてはいかがでしょうか。そして、小さなPDCAサイクルを回しながら、徐々に運用を本格化させていくことをおすすめします。

もし社内のリソース不足やノウハウ不足でお悩みの場合は、専門の運用代行サービスの活用を検討するのも一つの手です。

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