LINE採用とは? 取り組むメリット、やり方、事例を解説

LINE採用とは? 取り組むメリット、やり方、事例を解説

採用活動において「応募者に連絡が届かない」「メールを読んでもらえない」という課題を抱える担当者も多いのではないでしょうか。特に若年層はメールに不慣れで、電話にも出にくい傾向があります。そのため、応募者が日常的に利用する「LINE」を導入し、円滑なコミュニケーションを図る企業が増えています。

総務省の調査によれば、10代・20代におけるLINEの利用率は90%を超えています。

この高い浸透率は、応募者への連絡到達率を高めるうえで大きな強みとなるでしょう。本記事では、LINE採用のメリットや具体的な活用法、成功事例までを詳しく解説します。

※参照元:総務省『令和5年通信利用動向調査』

LINE採用とは? 基本的な仕組みと注目される背景

LINE公式アカウントの仕組みと種類

LINE採用で中心的な役割を担うのが「LINE公式アカウント」です。これは、企業が求職者に対してメッセージを一斉配信したり、1対1のチャットで対話したりできる公式チャネルです。

アカウントには主に「認証済み」と「未認証」の2種類があり、審査の有無や利用できる機能が異なります。

区分 審査有無 特徴 主な利用シーン
未認証 なし 個人・法人を問わず誰でも即日開設が可能。 小規模なテスト運用、個人事業主など
認証済み あり 審査を通過したアカウント。
検索結果で目立ちやすく、販促機能も豊富。
新卒・中途採用全般、店舗ビジネスなど

採用活動で利用する場合、応募者に安心感を与えるためにも、審査を経て「認証済み」アカウントを取得することをおすすめします。 認証済みアカウントは、青色の公式バッジが表示されるため、信頼性の向上につながります。

採用チャネルとしてのLINE普及率データ

LINEヤフー株式会社の公式発表によると、LINEの国内月間利用者数は9,600万人(2024年3月末時点)に達します。年代別の利用率も非常に高い水準を維持しています。

年代 利用率(総務省調査より)
10代 94.9%
20代 92.5%
30代 88.3%
40代 84.1%

このデータからも、特に若年層へ確実かつ迅速に情報を届ける手段として、LINEが非常に有効なチャネルであることがわかるでしょう。

※参照元:LINEヤフー株式会社『2023年度通期及び第4四半期決算説明会資料』

国内企業での採用への導入のトレンド

近年、LINEを採用活動に導入する企業は増加傾向にあると考えられます。その背景には、以下のような要因が挙げられます。

  • オンライン採用の一般化

非対面での選考が主流となり、オンラインで手軽にコミュニケーションが取れるツールへの需要が高まりました。

  • LINE連携ツールの増加

LINEと連携できるATS(採用管理システム)やチャットボットツールが充実し、導入のハードルが下がりました。

  • 内定辞退防止の重要性

内定承諾後も継続的にコミュニケーションを取り、内定者の不安を解消する手段としてLINEが活用されています。


応募者側も企業との連絡手段としてLINEを期待する傾向があり、導入の有無が母集団形成に影響を与える可能性も考えられます。

LINE採用が求職者体験を向上させる

LINE採用は、応募者の体験価値を向上させる点でも注目されています。LINEのプッシュ通知機能により、メッセージは応募者のスマートフォンに即時に届き、既読機能で相手が確認したかどうかも把握できます。

また、LINEログイン連携を利用すれば、応募フォームへの情報入力を自動化でき、応募者の手間を大幅に削減することが可能です。

さらに、動画や図解を用いたリッチメッセージを活用することで、企業の魅力や文化を直感的に伝えられます。問い合わせから面接連絡までが一つの画面で完結するため、応募者にとってストレスの少ない選考プロセスを実現することができるのです。

従来の採用手法との違いとLINE採用のメリット

高い開封率と早いレスポンス

従来の連絡手段であるメールと比較して、LINEは高い開封率が期待できます。プッシュ通知によってメッセージが見逃されにくく、応募者が日常的に使うアプリであるため、素早い反応を得やすい点が特徴です。

メールのように他の多数のメッセージに埋もれてしまうことが少なく、面接日程の調整やリマインドを確実に行うのに役立ちます。

コミュニケーション工数の削減

電話による面接日程の調整は、候補者と何度もやり取りが発生し、多くの時間を要することがあります。

LINEに連携できる日程調整ツールなどを活用すれば、候補者は提示された候補日時からワンタップで予約を完了できます。これにより、人事担当者の調整業務にかかる工数を大幅に削減し、より重要な業務に集中することが可能になるでしょう。

双方向チャットによる志望度の向上

LINEは1対1のチャット形式で、応募者からの質問にリアルタイムで回答できます。選考に関する細かな疑問や不安をその場で解消することで、応募者の企業に対する理解が深まり、志望度を高める効果が期待できます。FAQを自動で回答するチャットボットを導入すれば、24時間365日対応も可能となります。

タグ管理によるセグメント配信

LINE公式アカウントでは、応募者に対して「文系理系」「志望職種」「説明会参加済み」といった「タグ」を付けて管理できます。このタグ機能を活用し、特定の応募者グループに絞ってメッセージを送る「セグメント配信」が可能です。

例えば、「説明会に参加したものの、まだ応募していない学生」だけに次の選考を促すメッセージを送ることで、応募率の向上が期待できます。

LINE公式アカウント活用法

メッセージ配信機

LINEの配信機能は「一斉配信」「セグメント配信」「ステップ配信」の三つに大別されます。

  • 一斉配信<

友だち登録している全応募者に一度に情報を届ける機能です。

  • セグメント配信

前述のタグ機能を使い、特定の属性を持つ応募者だけに的を絞って情報を送ります。

  • ステップ配信

友だち追加を起点に「3日後に社員紹介」「7日後に説明会案内」といった形で、あらかじめ設定したシナリオに沿ってメッセージを自動配信する機能です。


これらの機能を組み合わせ、応募者の状況に合わせたメッセージの配信を行うことができます。

リッチメニューとリッチメッセージ

「リッチメニュー」とは、トーク画面の下部に固定表示されるメニュー機能のことです。

ここに応募ページや説明会予約、社員紹介ブログへのリンクを設置することで、応募者を目的のページへスムーズに誘導できます。「今すぐ応募」のような最も重要なボタンは、左上など目立つ位置に配置すると効果的です。

「リッチメッセージ」は、画像や短い動画とテキストを組み合わせたメッセージ形式で、企業の文化や雰囲気を視覚的に伝えるのに適しています。

チャットボットによる問い合わせ自動化

「チャットボット」とは、よくある質問とその回答をあらかじめ登録しておくことで、問い合わせ対応を自動化する仕組みです。

「説明会の服装は?」「選考結果はいつ頃わかりますか?」といった頻出の質問を登録しておけば、問い合わせ業務の約7〜8割を自動化できる可能性があります。これにより、担当者は個別対応が必要な複雑な質問に集中できます。

友だち追加経路の最大化

友だち登録者数を増やすには、オンラインとオフラインの両方でアプローチすることが重要です。

オンラインでは、採用サイトや求人広告に友だち追加用のQRコードやバナーを設置します。

オフラインでは、会社説明会や合同説明会のブースでQRコードを印刷したパネルやカードを配布する方法が有効です。「友だち追加してくれた方限定で、面接対策資料をプレゼント」といったキャンペーンも、追加率を高めるのに役立ちます。

LINEログインと応募フォーム自動入力

「LINEログイン」とは、応募者が自身のLINEアカウント情報を使って、企業の採用サイトや応募フォームにログインできる機能です。

この機能を使えば、氏名やメールアドレスといった基本情報が自動でフォームに入力されるため、応募者の手間が大幅に省けます。入力の手間が減ることで、フォームの入力途中で離脱してしまうのを防ぎ、応募完了率の向上が期待できます。

LINE採用の導入準備と始め方

社内運用体制を整備

LINE採用をスムーズに導入・運用するためには、まず社内の役割分担を明確にすることが重要です。「誰がメッセージに返信するのか」「誰が配信内容を承認するのか」といった責任の所在をしっかりと整理することをおすすめいたします。

また、個人情報の取り扱いやトラブル発生時の対応フローも事前に決めておきましょう。

アカウント開設のステップ

LINE公式アカウントの開設は、以下の手順で進めます。

①LINE Business IDの作成
公式サイトからメールアドレスを登録してIDを作成します。

②アカウント情報の入力
企業名や業種など、必要な情報を入力し、まずは未認証アカウントを開設します。

③認証済みアカウントの申請
管理画面から認証申請を行います。公式サイトURLや登記情報などが必要になります。

④審査と開設
審査(通常5〜10営業日)を通過すると、認証済みアカウントとして運用を開始できます。

トーン&マナーのガイドライン策定

応募者とのコミュニケーションにおける文章の口調(トーン&マナー)を統一するためのガイドラインを作成しましょう。丁寧語を基本としつつも、親しみやすさを感じさせるバランスが重要です。

「!」などの感嘆符や、過度な絵文字・スタンプの使用は避け、企業のイメージに合った誠実なコミュニケーションを心がけることが望ましいです。

KPI(重要業績評価指標)の設計

LINE採用の効果を測定するために、具体的なKPIを設定することが不可欠です。

採用フローに合わせ、「友だち追加数」「メッセージ開封率」「応募フォームへの遷移率」「応募完了率」といった指標を段階的に設定し、目標値を定めます。

これらの数値を定期的に分析し、改善を繰り返すことで、採用成果の最大化を目指します。

個人情報保護とセキュリティ対策

LINEで取得する応募者の氏名や連絡先は個人情報です。漏えいや不正利用を防ぐため、厳格なセキュリティ対策が求められます。

通信はTLSで暗号化し、アカウントへのアクセス権限は必要最小限の担当者に限定しましょう。また、万が一の事態に備え、個人情報保護法に基づいた報告体制を整えておくことも重要です。

LINE採用の企業事例

日本生命保険相互会社

就職活動の情報提供に特化したアカウントを開設し、多くの学生を集めています。学生が情報を定期的に受け取ることができ、また応募意欲が高まった場合、採用ページに移動できるような仕組みが整えられています。

参照元:【新卒採用】日本生命保険|LINE

日本マクドナルド株式会社

アルバイト採用において、全国の店舗にLINEで応募できるQRコードを掲示しました。応募者が使い慣れたツールで手軽に応募できるようにしたことで、応募のハードルを下げ、母集団形成に貢献している事例です。この施策により、全体のアルバイトの応募数は30%も増加したそうです。

参照元:LINEを採用活動で使うべき!?過去の事例から有効性とリスクを解く

警視庁

若年層へのアプローチとして、LINEオープンチャットなどを活用した情報発信を行っています。仕事の魅力や採用試験の情報を動画で伝えることで、従来の広報手法では届きにくかった層への認知拡大を図っています。

リスク管理と法的留意点

情報漏洩とセキュリティリスク

LINE採用では個人情報を取り扱うため、情報漏えい対策は最重要課題です。アクセス権限の管理を徹底し、従業員の私用アカウントでのやり取りを禁止するなど、厳格なルールを設ける必要があります。外部委託先のセキュリティ体制も確認しましょう。

ハラスメントや誤送信の防止

応募者との1対1のチャットでは、不適切な表現がハラスメントと受け取られるリスクがあります。複数人でのチェック体制や、送信前の確認フローを徹底することが重要です。また、夜間の自動応答設定や、誤送信時の削除手順をあらかじめ整備しておくことをおすすめします。

自社での運用が厳しい場合は運用代行の活用もおすすめ!

LINE採用を導入する主なメリットは「応募者への確実な情報到達」「コミュニケーションの迅速化による候補者体験の向上」「日程調整などの業務効率化」の三点に集約されます。メールや電話といった従来の手段ではアプローチしにくかった若年層とも、円滑な関係を築くことが可能です。

一方で、効果的な運用にはシナリオ設計やコンテンツ作成、データ分析といった専門的なノウハウが求められます。もし社内のリソース不足やノウハウ不足でお悩みの場合は、専門の運用代行サービスの活用を検討するのも一つの手です。

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