Instagram採用とは? 取り組むメリット、やり方、事例を解説

Instagram採用とは? 取り組むメリット、やり方、事例を解説

近年、求人広告や就職サイトだけでは「応募者の母集団形成が難しい」と感じる人事担当者も多いのではないでしょうか。実際に、就職活動でSNSを利用して企業の情報収集を行う学生は半数以上にのぼります。中でも「Instagram」は、写真や短尺動画で社風を直感的に伝えられる点から、採用広報での活用が進んでいます

このページでは、Instagram採用のメリットと注意点を整理し、導入ステップと成功企業の事例を詳しく紹介します。Instagram採用に興味がある採用担当者はぜひ参考にしてくださいね。

目次

Instagram採用が注目される背景

Instagramの最大の強みは、ビジュアルコンテンツを通じて、企業の文化や雰囲気を直感的に伝えられる点にあります。文字情報だけでは伝わりにくい「社員の働く様子」や「オフィスの雰囲気」などを写真や動画で投稿することで、候補者は自身がその企業で働く姿を具体的にイメージしやすくなります。

この特性は、採用ファネルの各段階で効果を発揮します。リール動画で「企業の日常」を短く見せて認知を獲得し、ストーリーズのQ&A機能で双方向のやり取りを行い興味を喚起、そしてプロフィール欄のリンクからエントリーフォームへ誘導して応募につなげるといった、一連の流れをスムーズに設計することが可能です

Instagram採用の7つのメリット

Instagramで採用を行うメリットは次の7つです。
Instagram採用のメリット
  • 若年層・転職潜在層にリーチしやすい
  • 社風を視覚的に発信し、ミスマッチを防止する
  • 投稿の蓄積が企業のブランディング資産になる
  • ハッシュタグの活用で採用コストを削減できる
  • コメントやDMで双方向のコミュニケーションが取れる
  • 広告機能で短期的な募集にも対応可能
  • 社員主体の発信がリファラル採用にも波及する
それぞれ解説していきます。

若年層・転職潜在層にリーチしやすい

総務省の調査によると、20代のInstagram利用率は78.7%に達します。これは、求人サイトを日常的に閲覧しないような転職潜在層へも、企業の情報を届けられる可能性があることを意味します。「#26卒」や「#エンジニア採用」といったハッシュタグを適切に活用することで、投稿を検索結果に表示させ、新たな接触機会を創出できます

※参照元:総務省情報通信政策研究所「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」

社風を視覚的に発信し、ミスマッチを防止する

Instagramで社員の1日やオフィスのランチ風景などを紹介することは、入社後のミスマッチを防ぐ上で非常に効果的です。候補者は、投稿を通じてリアルな職場の様子を知ることができるため、入社前に抱いていたイメージとのギャップが生まれにくくなります。結果として、早期離職率の低下につながり、長期的な採用コストの抑制も期待できるでしょう

投稿の蓄積が企業のブランディング資産になる

Instagramの投稿は、アカウント上に半永久的に蓄積されていきます。これらの投稿は、企業の歴史や文化を伝える「Web上のアルバム」のような役割を果たし、企業のブランディング資産となります。候補者が企業名で検索した際に、魅力的なInstagramアカウントが表示されることは、企業イメージの向上にも繋がると考えられます

ハッシュタグの活用で採用コストを削減できる

求人媒体への出稿には数十万円単位の費用がかかることも少なくありません。一方で、Instagramの投稿自体は無料であり、ハッシュタグを戦略的に活用すれば、コストをかけずに多くの候補者へリーチすることが可能です。「#社名」「#業界名」「#職種名+卒年」といったタグを組み合わせることで、費用を抑えながら応募の母集団を形成する効果が期待できます

コメントやDMで双方向のコミュニケーションが取れる

候補者は、投稿へのコメントやDM(ダイレクトメッセージ)を通じて、気軽に企業へ質問することができます。企業側は、これらの質問に迅速かつ丁寧に対応することで、候補者の不安を解消し、志望度を高めることが可能です。よくある質問をハイライト機能でまとめておくなど、候補者が自己解決できる仕組みを整えることも有効です

広告機能で短期的な募集にも対応可能

Instagramには、ターゲットを絞って投稿を届けられる広告機能があります。年齢や地域、興味関心などで対象者を設定できるため、急な欠員補充やインターンシップの募集といった、短期間で成果を出したい場合にも活用できます。比較的少額の予算から始められるため、テスト的に運用してみることも可能です

社員主体の発信がリファラル採用にも波及する

社員が自社のInstagramアカウントの投稿を自身のストーリーズでシェアするなど、社員を巻き込んだ運用は、リファラル採用(社員紹介採用)の活性化にもつながります。社員の友人や知人といった、信頼性の高いネットワークを通じて情報が拡散されることで、質の高い応募が期待できるでしょう

Instagram採用のデメリットと対策

Instagramでの採用はメリットだけでなく、もちろんデメリットもございます。Instagramで採用を行う際のデメリットは次の5つです。
Instagram採用のデメリット
  • 継続運用に制作工数がかかる
  • SNS炎上・ブランド毀損のリスク
  • 効果が見えるまでに時間を要する
  • アルゴリズムの変化に対応する必要がある
  • 効果測定と分析の知識が求められる

継続運用に制作工数がかかる

Instagram採用を成功させるには、定期的な投稿が不可欠ですが、写真や動画の企画・撮影・編集には相応の工数がかかります。

この課題に対しては、月に一度「撮影日」を設けてコンテンツをまとめて撮り溜めたり、デザインツール「Canva」などのテンプレートを活用して編集作業を効率化したりする方法が考えられます

SNS炎上・ブランド毀損のリスク

投稿内容に個人情報が写り込んでしまったり、不適切な表現があったりすると、瞬く間に情報が拡散され、炎上につながるリスクがあります。

対策として、投稿前に複数人で内容を確認するダブルチェック体制の構築や、緊急時の対応フローを定めたガイドラインの整備が不可欠です

効果が見えるまでに時間を要する

Instagramは、投稿を重ねてフォロワーとの信頼関係を築いていくプラットフォームのため、効果が実感できるまでには一般的に3か月から半年程度の期間を要します。

すぐに応募者を集めたい場合は、求人媒体など他の施策と並行して進めるか、初期段階で広告を活用して認知度を加速させるなどの工夫が必要です

アルゴリズムの変化に対応する必要がある

Instagramのアルゴリズム(投稿の表示順などを決める仕組み)は、定期的にアップデートされます。例えば、リール動画が優遇される時期もあれば、写真投稿の評価が見直されることもあります。

Meta社の公式ブログなどを定期的に確認し、投稿形式のバランスを柔軟に調整していく姿勢が求められます

効果測定と分析の知識が求められる

「どの投稿がきっかけで応募に至ったか」を正確に把握するには、専門的な知識が必要です。

URLに「UTMパラメータ」という識別子を設定してGoogle Analytics 4(GA4)で分析したり、各種指標をダッシュボードで可視化したりするスキルが求められます

Instagram採用を成功させるための4つのポイント

成功のポイント
  • 採用ブランディングの方針とペルソナを明確にする
  • 社員の日常など、リアリティを重視して発信する
  • フィード・リール・ストーリーズを組み合わせて露出を最大化する
  • インサイト機能を活用し、データに基づいた改善を繰り返す

採用ブランディングの方針とペルソナを明確にする

まず、「誰に、何を、どのように伝えていくか」という採用ブランディングの方針を固めることが最も重要です。その上で、採用したい具体的な人物像である「ペルソナ」を設定します。

例えば、「25歳、文系出身、挑戦意欲の高いエンジニア志望」のように言語化することで、投稿内容の軸がぶれるのを防ぎ、一貫性のある情報発信が可能になります

社員の日常など、リアリティを重視して発信する

候補者は、飾られた姿よりも、ありのままのリアルな情報に関心を持つ傾向があります。プロが撮影した綺麗な写真よりも、スマートフォンで撮影した自然な雰囲気の写真の方が、共感を呼びやすいケースも少なくありません。

社内イベントの様子や、時には仕事での失敗談といった「人間味」のある投稿は、エンゲージメントの向上につながります

フィード・リール・ストーリーズを組み合わせて露出を最大化する

Instagramの各機能を戦略的に使い分けることが、露出を最大化する鍵となります。具体的には、リールで新規フォロワーを獲得し、ストーリーズで既存フォロワーとの関係を深め、フィード(通常の投稿)で企業の詳細な情報を伝える、といった役割分担が効果的です。

この三位一体の運用により、アカウント全体の成長を加速させることができます

インサイト機能を活用し、データに基づいた改善を繰り返す

Instagramのビジネスアカウントには、「インサイト」と呼ばれる無料の分析機能が備わっています。この機能を活用し、週次や月次で「どの投稿のリーチが伸びたか」「プロフィールへのクリックが多かった投稿は何か」などを確認しましょう。

データに基づいた仮説検証(A/Bテストなど)を繰り返すことで、より効果的な運用方法を見つけ出すことができます

Instagram採用の導入5ステップ

  • 1. アカウント開設・プロフィール最適化

ビジネスアカウントに切り替え、プロフィールにミッション、募集職種、リンクを明記するようにしましょう。

  • 2. コンテンツ企画とビジュアルガイド策定

投稿のテンプレートを作成します。ブランドカラーやフォントを統一するようにしましょう。

  • 3. 定期的な投稿とストーリーズの運用

投稿スケジュールをカレンダーで管理しましょう。定期的な情報発信を習慣化することが重要です。

  • 4. コメント・DMの対応フロー整備

24時間以内に返信するなどのルールを設けるようにしましょう。定型文を活用することで対応を効率化することができます。

  • 5. KPI設定と効果測定

「フォロワー数」「プロフィールクリック率」「応募数」などのKPIを設定し、月次で進捗を確認しましょう。数値で判断することで適切にPDCAを回すことができます。

Instagram採用の成功事例

JALスカイ

グランドスタッフの採用に特化したアカウントを運用し、制服姿の社員や空港の裏側などを発信しています。フォロワーは1.3万人を超え、説明会告知投稿にもいいねを非常に多く獲得できています。

※参照元:JALスカイ採用担当 公式Instagram

株式会社サイバーエージェント

就活生をターゲットに、リール投稿を積極的に行っています。また内定者や新卒1年目を紹介し、実際に入社後の姿をイメージさせることができています。

※参照元:サイバーエージェント新卒採用【公式】

ユニリーバ・ジャパン

企業ブランドのカラーで統一されたデザイン性の高いフィード投稿と、社員がリアルな声で語るインスタライブを組み合わせています。これにより、企業の魅力と働きやすさを両面から伝え、候補者の企業理解を深めることに成功しています。

※参照元:Unilever Careers Japan

三井住友カード株式会社

ストーリーズの連載企画で「社員インタビュー」と「業務紹介」を組み合わせ、仕事の具体的なイメージを可視化しています。これにより、候補者が自身のキャリアパスを想像しやすくなり、志望度の向上に貢献していると考えられます。

※参照元:三井住友カード株式会社 新卒採用担当

代行サービスの活用もおすすめ

自社でInstagram採用を本格的に運用する場合、コンテンツ制作などに多くの工数がかかります。

一方、採用代行サービスを活用すれば、同程度の予算でも、担当者の工数を大幅に削減しながら、プロ品質の運用が期待できます

項目 自社運用(目安) 代行活用(目安)
月間工数 約40時間 約5時間(確認・連携のみ)
月額コスト 人件費として12〜15万円程度 10万円〜
クリエイティブ品質 担当者のスキルに依存 専門デザイナーや編集者が制作

プロに任せることで得られるメリット

専門の代行会社に依頼することで、競合調査や戦略設計を迅速に行い、運用開始までのリードタイムを短縮できます。

また、ブランドイメージに沿った質の高いクリエイティブを安定的に制作できるほか、広告運用の最適化や詳細なデータ分析といった専門的なサポートも受けられます。これにより、自社の担当者は、面接や候補者との対話といったコア業務に集中しやすくなるでしょう

まとめ

本記事では、Instagram採用のメリットと注意点を整理し、導入を成功させるためのポイントと具体的な実行手順を解説しました。写真や動画を通じて企業のリアルな姿を発信することは、応募数の増加だけでなく、入社後のミスマッチを防ぐ上でも非常に有効です。

これからInstagram採用を始める際は、まず「誰に何を伝えるか」というペルソナ設定とコンセプト設計から着手することをおすすめします

もし、運用リソースや専門知識に不安がある場合は、外部の専門家の力を借りることも有効な選択肢です。

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